2020-01-31

武漢 ー漢詩の風景ー


突然ですが、李白の七言絶句を。

黄鶴楼送孟浩然之広陵   黄鶴楼にて孟浩然の広陵へ之くを送る   李白

故人西辞黄鶴楼   故人 西のかた黄鶴楼を辞し
烟花三月下揚州   烟花三月 揚州に下る
孤帆遠影碧空尽   孤帆の遠影 碧空に尽き
唯見長江天際流   唯見る 長江の天際に流るるを

(引用:『漢詩の世界』新装版 石川忠久著 大修館書店 1989年 )

(所在:和書(3F) 請求記号:921||I 76)

中学校の教科書に載っていたので、なんとなく覚えている方も多いのではないでしょうか。
武漢→黄鶴楼→李白!
最近のニュースを見ていて、武漢ってどこだっけ?と思ったわたしの思考回路です。
わたしの中の武漢のイメージはこの漢詩以降、全く更新されていないことが今回明らかになりました。(唐代ですよ!)
現地では春節を迎えましたが、街は封鎖され、武漢在住の日本人も希望する人は政府専用機で帰国されていますが、文化の交流も人の交流も長い年月重ねられてきたのだなあと思います。
そして別れの悲しみはいつの時代も変わらず、胸に迫ります。船が見えなくなってもその先をみつめ続ける余韻がよけい寂しいですよね。この後まだ安禄山の乱が…とかも考えてしまいます。


さて図書館では、そんな感傷の入る余地もないくらい試験準備中の学生さんでいっぱいですが、試験が終わったら楽しい春休みの計画を立てている人も多いでしょうね。


新型肺炎が終息して、また中国へ気軽に観光旅行に行ける時期はもう少し先でしょうか。そんな今だから漢詩など中国文学に親しんでおくのはいかがでしょうか。


冒頭の『漢詩の世界』の著者、石川忠久先生はNHKのさまざまな漢詩の番組でおなじみですし、今回の改元の際には候補の元号を出していらっしゃった方ですね。解説がわかりやすいので、読みやすいですよ。


また明治書院の「新釈漢文大系」から「詩人編」の刊行も始まっています。


所在:和書(3F) 請求記号:920.8||3||S-4


こちらには冒頭の詩は収録されていませんが(下巻を待ちます!)、訳や語注、解説なども丁寧に書かれています。
岩波文庫でコンパクトに読むもよし、漢詩はいろいろな形態で出版されていますので、自分が読みやすいものを見つけるのもいいかもしれません。


いつか黄鶴楼を見てみたいなあ。
(図書館スタッフ:「ときに晴れて」)

2020-01-27

図書館クラブのリクエスト展示(2月、3月)


図書館クラブのリクエスト展示の棚が新しくなっています。

今回のテーマは、「日文選第三弾  不思議編」です。














不思議をテーマにこんな本たちが並んでいます。






大好きな本、読んでみたかった本、この棚で見て読んでみたくなった本が並んでいます。
みなさんも是非図書館1階リクエスト展示コーナーをのぞいてみてくださいね。

                                                     (スタッフY)

2020-01-25

今から入ってくる本たち


後期試験直前、学生のみなさんいかがお過ごしですか?
図書館は試験前景気で大繁盛しています。
とはいっても、席が全部埋まってしまうほどではないので、試験勉強に図書館をご活用ください。
あったかくも寒くもなく、場所によってはちょっと寒い図書館は勉強するのにピッタリ!
試験期間中は日曜日も開館していますよ!(2月2日と9日)

さてさて、今日はもうすぐ図書館に入ってくる本を紹介したいと思います。
試験が終わって春季休暇に入ったら、腰を据えて読書!いかがですか?
※ただし、貸出ができるようになるには、あと1-2か月かかってしまいます。ご了承ください。



江戸川乱歩の全集、全18巻が入ります。
この全集は昭和36年頃出版されたものの復刻で、乱歩自身が校訂した生前最後の全集で、決定稿とも言えます。
昭和的な装丁と、乱歩らしい、最近は珍しい2段組みのページも楽しめます。
全集にしては持ち歩きしやすい大きさと装丁なので、貸出しやすくなっています。


著者 :
エーディーエー・エディタ・トーキョー
発売日 : 2019-03-25

「GA HOUSES : 世界の住宅」の2019年分(163~167)が入ります。
近年、学部学科を問わず、デザイン系の本がよく貸出しされます。
建築の本はデザイン性が高く、色彩感覚なども洗練されていて、ウェブデザインなどを考えるときにも参考になります。
見てるだけでインスパイアされて、なんだかデザイン力が高くなるような気がしたり…



全国の「大学教員が新入生に読んでほしい本」ランキングでいつも上位に上がるのがドストエフスキー。
5冊組で100年以上前のロシア文学なんて、敷居が高すぎますよね。
でも、一度は手に取ってみたいな、と思っている人は潜在的に少なからずいるものだと私は思っています!
そんなとき、2000年代に入って新訳されたこのシリーズはおすすめです。
意外にはまるかも…?
ドストエフスキーは人生を教えてくれますよ…?

この他にも、海外文学の名作を新訳したシリーズがいくつか入ります。

※2/3訂正--『白鯨』の購入は岩波文庫版から講談社文芸文庫版に変わりました。ご了承ください。


などなどなど…

名作だって小説。
小説は楽しむものです。
ぐっと身近な日本語になった新訳、手に取ってみませんか?


図書館スタッフ:H


2020-01-24

死を想う


今日は、最近私が読んだ本をご紹介します。
選んだわけではないのですが、『死』について考えさせられる本が多かったのでご紹介させてください。

著者 : 宮下洋一
小学館
和書(2F) 490.15||Mi 83
発売日 : 2019-06-05

題名の通り、安楽死を遂げた日本人について書かれた本です。病に苦しみ安楽死を決断する姿を目の当たりにし、自分だったらどうするだろうと深くこころを揺さぶられた一冊です。


著者 : 大野更紗
ポプラ社
和書(3F) 916||O 67
発売日 : 2014-07-14

大学院在学中に原因不明の難病にかかった経験をかいた『困ってるひと』の後日談で、難病を持ちながらも退院して病院の外で一人暮らしを始めた経験をかいた本です。
前に紹介した『安楽死を遂げた日本人』で安楽死を遂げたのは「多系統萎縮症」という徐々に全身の筋力を失っていくという難病の患者でした。同じ難病でも大野さんの病は、自己免疫疾患という免疫システムが自己を攻撃する症状です。読んでいてもすごく痛そうで私だったらつらいなぁと思えるし、実際著者もつらそうなのですが、文章に希望が見えるし、闘病記というよりも一人の女性の生き方がみえて、読んでいて応援したい気持ちになる1冊です。


著者 : 小川糸
ポプラ社
和書(3F) 913.6||O 24
発売日 : 2019-10-08

若くして余命を告げられた主人公が瀬戸内海のホスピスで過ごした時間を記した小説です。
主人公は人生を終える場所を自分で選んでホスピスを訪れ、実際そこで人生を終えます。死を主題とした小説ですが、読んだ後とても穏やかな気持ちになれるのは、主人公が自分の人生に納得して生を閉じたためだと思われます。




最後にご紹介するのは、末期がんで余命宣告をうけた写真家の幡野広志さんの本です。
幡野さんは、最初に紹介した『安楽死を遂げた日本人』にも安楽死を希望する立場で登場します。
死に方を選ぶことは、生き方を選ぶことだと幡野さんは語ります。
死という大きな選択肢を前に決断をせまられることには躊躇してしまいますが、毎日の小さな選択を納得して積み重ねることが、納得いく死への道なのではないかとこの本を読んで感じました。


気になる本があったら手にとってみてくださいね。


                                 (スタッフ Y)





















2020-01-22

いろいろあります、掲示板。



この世は愛と希望と掲示板にあふれている。(とか、いないとか)

図書館にも。
講義棟1階にも。
大ホール前ロビーにも。

「ほぉ~確かに掲示板も結構あちこちあるもんだ」と掲示板の多さを認識していただいたところで、今回はこの本を紹介したいと思います。

著者 : 江田智昭
新潮社
発売日 : 2019-09-26
【所在:和書2F 請求記号:185||E21】

これは「お寺の掲示板大賞」なる企画(←こんなものがあるんですね~)に投稿された作品が集められたものです。
まさに、そのお寺のセンスが凝縮されています。

「深い!」です。
「うまい!」です。

表紙の「ばれているぜ」(@雲西寺〈大分〉)の文言のチョイス、字体、字の配置など、なんとも味わい深く、慈愛に満ちていて、思わずこぶしをつけてうなりたくなります。

2018大賞作品「おまえも死ぬぞ」(@願蓮寺〈岐阜〉)もなかなかのインパクトです。
(写真は本の中で紹介されています)

そのほかにもたくさんの作品が載っていますよ。
おかげで私(P)は、この本を見終わるころにはすっかり悟りを開いてしまいました(とさ)。

そしてもう一つ、お知らせしたい“掲示板”があります。
このたび新調された「デジタルサイネージ(電子掲示板)」です。

これからもいろいろな情報を発信していきます。
“新生デジタルサイネージ”をどうぞよろしくお願いします。

【おまけの掲示板】

(図書館が心落ち着く空間でありますように)





ぷくにゃんお話会(1/22)


2020-1-22
ぷくにゃんお話会(1/22)

今年最初のお話会は2年1組に行きました。
読む前から「このお話知ってる」「家にある」など興味を持ってくれました。

今日は「おたすけこびと」「ぐりとぐらのおきゃくさま」「しんせつなともだち」の3冊を読みました。



子供の反応もよく、こちらも気持ちよく読むことができました。
「ぷくにゃんお話会の人だ」「今日は何読むの?」「前も見たことある」など、廊下にいる時から声をかけられて、ちゃんと楽しみにしてくれていることが分かりました。
今年度最後の読み聞かせということで、少し寂しかったですが、来年度からまた読み聞かせできるようにしたいです。(みおり)

2020-01-15

展示「芋づる式読書MAP」


出版社の岩波書店さんがおこなっている「芋づる式!読書MAP」のフェアに合わせて、当館に展示コーナーを作りました。







『「本を読む」ことのおもしろさは,一冊で完結するものではなく,最初の一冊から次の本,そしてまた次の本へと続くことではないでしょうか』
          岩波書店のサイトより(https://www.iwanami.co.jp/news/n32672.html

きっかけとなる最初の1冊を展示していますので、ぜひ手に取ってみてください。

また、上記のサイトでは、白紙の「芋づる式!読書白MAP」のデータが配布されていますので、自分なりの読書MAPを作ることができます。

私も時間を作って「芋づる式!FGO読書MAP」や「芋づる式!クトゥルフ神話読書MAP」などを作ってみたいですね。




また、『アイデア大全』『問題解決大全』の著者である、読書猿 様(@kurubushi_rm)の読書MAPも展示していますので、参考にしてみてください(展示許可済)


(図書館スタッフ ゲーム司書)

2020-01-14

西村先生による、読み聞かせ講習会


本日、NPO法人「ガット」代表の、西村るり先生による「読み聞かせ講習会」を行いました。




絵本の選び方や持ち方、読んでいる途中で子どもの質問があった時の対応など、わかりやすく実践的なお話をしていただきました。







また、西村先生の活動についてのお話や、絵本の読み聞かせが脳に与える良い影響のお話など、先生の熱い思いが伝わる内容で、参加した9名の方にとっては、あっというまの90分でした。





是非また、お話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします!
 

 (図書館スタッフ ゲーム司書)




今年もよろしくお願いいたします


新しい年が明けました!
明けましておめでとうございます
2020年もどうぞメディアセンター図書館をよろしくお願いいたします


どうぞよい年になりますように。

さて、ここの図書館ですが、地域貢献の一環として絵本の読み聞かせをする活動を行っています。
読み聞かせ学生ボランティア「ぷくにゃんお話会」が月におよそ2回、近くの小学校に出かけてゆき、子どもたちにお話会を開いています。
(昨年の様子)

そして来たる1月10日(金)、図書館において読み聞かせの講習会を開きます。
初心者には一から教えてもらえる、経験者には絵本の読み聞かせのスキルを磨くことができる講習会です。
講師は本学の卒業生でもいらっしゃる、西村るり先生です。
西村先生は、子どもたちの読書環境をより良くする団体「NPO法人 ガット」の代表を務め
られています。
NPO ガットのホームページ


【読み聞かせスキルアップ講座】
講師:西村 るり 先生(元熊本市京陵中学校教諭・NPO法人「ガット」代表)
日時:2020年1月10日(金)14:30~16:00
場所:熊本県立大学図書館 3階会議室


・学部、学年は問いません。
・他大学の学生及び社会人も参加可能です。入館の際にカウンターで手続きをお願いします。


(*但し18歳未満の方は入館ができません。ご了承ください。)


(過去の講習会の様子)









(スタッフk)





 

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