暑い毎日が続きます、という言葉さえかすむような酷暑の日々ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
図書館は約半月の休館を経てちょこっとリニューアルしていますので、涼みに&休憩にご利用くださいね。
さてタイトルですが…
皆様CWA賞という文学賞はご存じでしょうか?
ミステリー文学賞としては世界最高峰、広くはダガ―賞の名称で知られているこの賞。
英国推理作家協会(The Crime Writers' Association)によってその年にイギリスで出版された推理小説から選ばれます。
最優秀賞はゴールドダガ―賞と呼ばれ、ジョン・ル・カレやロス・マクドナルド、ミネット・ウォルターズをはじめ著名な作家が受賞しており、推理小説の評価基準のひとつにもなっています。
大学図書館にあまり所蔵はありませんが、
2021年に受賞した「われら闇より天を見る」は図書館にあります。
で、ここからが本命。
CWA賞の作品部門の一つ、インターナショナル・ダガー賞(翻訳小説に与えらる賞)です。
2025年度のこの賞を、日本人作家が初受賞!
王谷晶「ババヤガの夜」
暴力を唯一の趣味とする依子が、暴力団との因縁により組長の一人娘・尚子の護衛をすることから始まる物語。
バチバチのアクション映画を見ているような文章と、2人の女性の友情とも嫌悪とも違う、まだ名前の付かない関係など、読み応え抜群で一気読み必至。
そしてラストまで読むと、もう一度「すべてを知った状態で」読み返したくなります。
これがめっちゃ面白いので、ぜひとも皆さん読んでください。
海外では、(世界3大文学賞である)ブッカー賞とも並ぶ文学賞であるだけに、受賞作はもちろんノミネート作も名品ぞろい。
インターナショナル・ダガー賞だけでも、
2013年に受賞したフランスの作家ピエール・ルメートルの「その女アレックス」
2008~2010年に連続ノミネート(受賞には至らず)したスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの代表作「ミレニアム」シリーズ
などなど。
日本の作家もノミネートされており、
2016年の横山秀夫「64 (ロクヨン) 」2019年の東野圭吾「新参者」
2022年は伊坂幸太郎が「マリアビートル」
がノミネートされました。
図書館にない本はリクエストできますので、気になった方はぜひ、図書館にお尋ねください。
(図書館スタッフ:トルコ石)