2025-08-22

祝!!CWAダガー賞受賞!!!


 暑い毎日が続きます、という言葉さえかすむような酷暑の日々ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

図書館は約半月の休館を経てちょこっとリニューアルしていますので、涼みに&休憩にご利用くださいね。

さてタイトルですが…
皆様CWA賞という文学賞はご存じでしょうか?

ミステリー文学賞としては世界最高峰、広くはダガ―賞の名称で知られているこの賞。
英国推理作家協会(The Crime Writers' Association)によってその年にイギリスで出版された推理小説から選ばれます。
最優秀賞はゴールドダガ―賞と呼ばれ、ジョン・ル・カレやロス・マクドナルド、ミネット・ウォルターズをはじめ著名な作家が受賞しており、推理小説の評価基準のひとつにもなっています。
大学図書館にあまり所蔵はありませんが、
2021年に受賞した「われら闇より天を見る」は図書館にあります。

早川書房
発売日 : 2022-08-17

所在:和書(3F) 
       933.7||W 68


で、ここからが本命
CWA賞の作品部門の一つ、インターナショナル・ダガー賞(翻訳小説に与えらる賞)です。
2025年度のこの賞を、日本人作家が初受賞!

王谷晶「ババヤガの夜」 

著者 : 王谷晶
河出書房新社
発売日 : 2020-10

所在:和書(3F) 
       913.6||O 84 

暴力を唯一の趣味とする依子が、暴力団との因縁により組長の一人娘・尚子の護衛をすることから始まる物語。
バチバチのアクション映画を見ているような文章と、2人の女性の友情とも嫌悪とも違う、まだ名前の付かない関係など、読み応え抜群で一気読み必至。
そしてラストまで読むと、もう一度「すべてを知った状態で」読み返したくなります。
これがめっちゃ面白いので、ぜひとも皆さん読んでください。

同じく候補作だった柚木麻子「Butter」も所蔵があります。
著者 : 柚木麻子
新潮社
発売日 : 2017-04

所在:和書(3F) 
       913.6||Y 99 


海外では、(世界3大文学賞である)ブッカー賞とも並ぶ文学賞であるだけに、受賞作はもちろんノミネート作も名品ぞろい。

インターナショナル・ダガー賞だけでも、

2013年に受賞したフランスの作家ピエール・ルメートルの「その女アレックス」
文藝春秋
発売日 : 2014-09-10

所在:和書(3F) 
       953||L 54 

2008~2010年に連続ノミネート(受賞には至らず)したスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの代表作「ミレニアム」シリーズ 
などなど。
  
日本の作家もノミネートされており、

2016年の横山秀夫「64 (ロクヨン) 」
著者 :横山秀夫
発売日 :2012-10
所在:和書(3F) 
       913.6||Y 79 
2019年の東野圭吾「新参者」
著者 : 東野圭吾
講談社
発売日 : 2013-08-09
所在:和書(3F) 
       913.6||H 55 

2022年は伊坂幸太郎が「マリアビートル」
KADOKAWA
発売日 : 2013-09-25
所在:和書(3F) 
       913.6||I 68 

がノミネートされました。
 
アジアだと2021年に韓国のユン・ゴウン「夜間旅行者」が受賞(図書館に所蔵なし)。

ダガー賞に関しては、「短編ミステリの二百年 1~6」に詳細もあります。
東京創元社
発売日 : 2019-10-24
所在:和書(3F) 
       908.3||Ta 89||1~6


図書館にない本はリクエストできますので、気になった方はぜひ、図書館にお尋ねください。

(図書館スタッフ:トルコ石)
 

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