2024-04-09

木村敏さんの本


 こんにちは。

すっかり春の陽気となりましたね。

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

春休み中の図書館は日頃より利用者が減り、静けさが増したように感じましたが、

授業開始とともに利用者が増えて活気が戻りました。


さて、今回は精神科医・木村敏さん著作のおすすめ本を

2冊紹介します。


 木村 敏(きむら・びん)…医学者・精神科医。専門は精神病理学。 

 能動態と受動態の中間である”中動態”に注目し続けている。


『時間と自己』

著者 : 木村敏
中央公論新社
所蔵:和書(2F) 104||KI39 図書


時間とは何か、随分前から心の片隅に抱いていた疑問を追究した一冊。

時間を非連続の連続とみる西田幾多郎の思索と、

存在の意味は時間であるというハイデガーの考えとが、

著者自身の経験に最も近いと感じられたそうです。


”常々、人間に対するいかなる思索も、死を真正面から見つめたものでなければ、

生きた現実を捉えた思索になりえないのではないかと思っている”(本文より)


精神病理を通して時間を考えるという視点が非常に興味深いです。



『私は本当に私なのか』

著者 : 木村敏
朝日出版社
所蔵:書庫(4F) 141.93||Ki 39 図書


小説家の金井美恵子さんが木村敏さんに自己論講義を受けるという体裁をとっており、

事前に金井さんが木村さんのテキストを読んでからの対談記録のようなものです。

精神科医として哲学に向かう木村さんの深い思索を除いているかのような、

今一度「自己」を見つめ直すきっかけになりそうな一冊。


他にも沢山の本があるので、ぜひ読みに来てください。



図書館スタッフ:F



 

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