台風一過な青空が広がり、学生の皆さんは夏休みに突入している今日このごろ。
気持ちのいい日を過ごしていますでしょうか。
と、そんな前置きをしておきながら、ご紹介する本は展示「ホラー」のマイナーな一作。
よろしければお付き合い下さい。
H.P.ラヴクラフトというアメリカ人作家が「創った」神話、「クトゥルー神話」の全集です
(「ク・リトル・リトル」は、「クトゥルー」の別の読み方)。
この神話は「ギリシア神話」や「日本神話」のようなもの。
ラヴクラフト以外の作家もクトゥルー神話を下敷きにした小説にしており、
日本だと栗本薫や菊地秀行、田中芳樹などのメジャーな作家も書いていたりします。
幽霊やモンスターと違って、はっきりした形を取らない「不気味なもの」が実は隣にいた、
と気づいた一瞬の恐怖は、他の作品では味わえません。
とはいえ、キャラクターやアイテム・地名などは共通でも、作家によって作風や長さは千差万別!
展示している本にも、短編から中編まで収録されています。
私のお薦めは「怪魔の森」(50ページ未満の短編です)。
他の作品よりキャラクターの会話が多く、ブラックなジョークが冴えわたっています。
翻訳作品なので言い回しなどにクセがありますが、じっくり読んで想像するのも読書の醍醐味。
夏の一日に、不思議な神話の世界に行ってみませんか。
(図書館スタッフ:トルコ石)