天気も気持ちもザワザワ落ち着かない春の到来です。
桜咲く、出会いと別れのこの季節、皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
新緑の芽吹く春は、ぐんぐんと成長していく植物にパワーを吸い取られるのか、
私の場合は毎年、心身ともに一定のパワーが保てない、ちょっと不安定な日々が続きます。
そんな心持ちだからか、夜寝る前の読書が一番気持ちの落ち着く時間です。
今読んでいるのは、吉田修一の長編小説、「路(ルー)」。
台湾が舞台の話で、台湾の熱風やジャングルみたいな緑(想像です)、屋台ごはんなどに思いを馳せつつ、読み進めています。
吉田修一の小説は、各々の作品によってタイプががらりと変わる。
物語の中にきちんと社会問題を織り交ぜてあったりするので、物事を考えるきっかけにもなるし、現代社会とリンクしている小説をリアルタイムで読めることに、幸せを感じたりもします。
今回の長編も、恋、地震災害、歴史、仕事、病い…など、普通に生活する人々の、色んな思いや生き方が散りばめられていて、その一人一人の物語にぐんぐん引き込まれていく、読み応えのある小説です。
この話を読み終わった後に読むつもりの本も、もう二、三冊、待機中。
気持ちがざわざわ落ち着かないからこそ、物語の世界にぐいっと入っていけるのかもしれません。
(図書館スタッフ:キティコ)