2020-11-10

歴史を学ぶこと、歴史に学ぶこと

 11月に入り銀杏並木も色づき始め、例年だと白亜祭の準備に忙しい時期です。今年は、白亜祭も中止となりなんだか寂しい11月の初旬です。


銀杏だけではなく、紅葉が美しくなるこの季節ですが、読書の秋でもありますよ。

今日は、昭和30年代の歴史について書かれた2冊を紹介します。


著者 : 加藤陽子
朝日出版社
発売日 : 2009-07-29
所在:開架(2F) 210.6||Ka 86

この本は、著者が高校生向けに講義した内容をもとにしているため図や解説も充実しており歴史に疎い私にも読み進められる内容です。

1世紀近く昔の出来事が語られますが、歴史を過ぎ去った過去の物語として扱うのではなく、今を生きる知恵に変えてくれる骨太の歴史書です。


もう1冊同じ著者の同じテーマの本を紹介します。

著者 : 加藤陽子
朝日出版社
発売日 : 2016-08-09
所在:開架(2F) 210.7||Ka 86

この本も中高生に向けた講義をもとにしています。
大学教授である著者が、通常講義をしている大学生よりもより若い年代に歴史を伝えることを大切にしていることが伝わってきます。
まえがきでは、中高生だけでなく『日々の選択を切実に促されている立場の人』へ届けたい旨が記載されています。

難しい選択を迫られたとき、『選択の入り口の地点で、ゲームのルールが不公正であったり、レフリーが不公平であったりする現状を目にしたとき、国家との社会契約が途絶えたと絶望する道をとるのではなく、ゲームのルールを公平なものに、レフリーを公平な人に代えていく、その方法や方略を過去の歴史から知ること、それが今、最も大切なことだと私は思っています。』と著者は述べます。
これこそが、歴史を学ぶ意義なのだと胸が熱くなります。

読書の秋に骨太の歴史書を読んでみてはいかがでしょうか。

           スタッフY